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(概説その3:開放系と閉鎖系)


エネルギーワークは開放系の観点に立つことにより、その能力と安全性を飛躍的にアップすることが可能となりました。ここでは開放系の観点と、「フィールド」について解説します。



(開放系と閉鎖系)

「開放系」と「閉鎖系」という言葉は科学的立場から造られました。例えば試験管の中の化学反応が試験管外の諸条件を無視できる場合、試験管という閉じられた空間内の出来事として捉えられるので閉鎖系の実験と言うことができますし、例えば試験管の外の光が試験管内の反応に大きく関与している場合、開放系として捉える必要があるということです。

(生存や生命に関する考え方としての開放系と閉鎖系)

観点や見方によって事象の受け捉え方は変化し、受け取った情報を基にして人は思考します。そして思考の結果として思想が生まれ行動原理と化した時に主義となります。
開放系と閉鎖系という見方を生命に当てはめて考えた場合、特徴的な概念として挙げられるのは「共存共栄」と「弱肉強食」です。古典的なシートンの観察による狐とウサギの増減の関連性に代表される長期間の観察によって1個体または特定種ではなく生態系全体として捉えることから生じる「共存共栄」という概念は開放系から生じた概念(以下、「開放系概念」とする)と言えますし、試験管の中の短時間の反応で判断するかのように1個体の短期間の生存という面から捉えた生態系ピラミッドのような概念は閉鎖系から生まれた概念(以下、「閉鎖系概念」とする)と言えます。生殺与奪権という概念も閉鎖系概念であると言えます。

(閉鎖系からの概念を全体に適用するとどうなるか?)

ここでは「弱肉強食」という閉鎖系概念を採用して押し進めるとどうなるかという思考実験を行いましょう。「考える」のは人類ですから、例として人類という種として弱肉強食という概念を採用したとします。試験管は地球という物質的閉鎖空間です。人類は生き残る為に先ず種として地球上で最強の立場に立とうとします。種として最強の立場に立った後は、種の中で生き残る為に、ある特定集団として最強の立場に立とうとします。生殺与奪権の確保の為にどんどんピラミッドの頂点を目指します。特定集団の中に更に特定集団を造り、少数化しながら最強を目指します。そして終には1個体が頂点に立つでしょう。

(生態系ピラミッドは完成するか?)

1個体が頂点に立った時、ピラミッドは完成するでしょうか? 一時的には完成しますが安定はありません。No.2以下は常に上を狙い、トップは生命の危険にさらされます。トップは危険な存在に生殺与奪権を行使します。対象はNo.2以下全ての人類や生命体です。このように弱肉強食という閉鎖系からの概念を採用した種には常に同種族間の危険がつきまといます。またピラミッドもいつ完全消滅するかわかりません。このことは食料など生命維持に必要な物資の量には左右されません。賭けられているのは個体の生命そのものだからです。


(閉鎖系概念はどのようにして広まったか)

前述の通り、開放系の観点は巨視的全体的で個体の境界がありませんし、閉鎖系の観点は一時的限局的で焦点が絞られます。ですから共生を考えた場合には開放系の観点に立った方が適当なのですが、同種族間で争うような一時的限局的な場面での1個体の生死を考えた場合には閉鎖系概念を採用した個体が有利でした。例えば、土地を「所有」するという閉鎖系概念を採用した個体は、そのような概念を持たない個体を排除できます。「所有」という概念を持たない個体には土地の「境界」感がないので「所有」された空間はあけ渡して「境界」の外へと流れていき、地球は物質的閉鎖空間ですから、やがて「境界」の外へと押し込められます。このように閉鎖系概念を採用した個体とそのような概念を持たない個体が出会い、閉鎖系概念採用個体が「争い」を意識した場合、開放系概念を採用している個体に勝ち目はありませんでした。「勝つ」ためには「所有」や「境界」といった閉鎖系概念を採用しなければならなかったのです。このようにして閉鎖系概念は広まっていったのですが、前述の通り閉鎖系概念は「殺し合い」には有利ですが共生には不向きである為、閉鎖系概念が広まるに伴って全体的な生命の危険度は高まっていきます。場の圧力に耐え切れずに病気や怪我や事故など損傷していく個体も増えるでしょう。生命を連続するためには種として開放系の観点を得て開放系概念を採用する方が適当と言えます。このためには閉鎖系概念は知識として知っておき開放系概念(採用個体)を応援し育て増やした方が良いのですが、実際の現在のヒト社会や個々人は閉鎖系概念と開放系概念の間を必ずしも意識しないままゆらゆらと漂っているように見受けられます。尚、ここでまた「系」は観点であり、思想上の立場である「主義」とは異なることを強調するとともに、この論では「思想」や「主義」については述べないことを明言します。更にいえば後述しますが、種としてある特定の状態になるには前段階として相当数の個体がその状態となっいるものである(所謂「百匹目のサル」現象)という可能性があります。では、個体が経験する開放系の状態とは、どのようなものでしょうか?

(開放系の状態)

種として開放系を選択しているとは言えませんが、個体として開放系の状態にあることはあり得ます。そして開放系にある個体が増えることで種として開放系を選択することも考えられます。ここでは個体が経験する開放系の状態を例とともに述べてみたいと思います。まず考える原点として、生命を開放系で観た場合、個体または特定種の生死や増減は生態系の時系列上の変化の一部として認識されます。このような観点を1個体が有した場合、その個体にとって生命とは生態系の連続であり、生態系上に一時的にその個体が存在するという自己認識となります。このような自己認識の元では「生かす」と「生きる」は同義語となり生命とは生かして生きることとなります。この結果、開放系の観点を有した個体は、個体としての死生観等の制限を受けなくなります。ここでまた開放系と全体主義とは異なることを強調しておかねばなりません。全体主義では全体と言うよりも特定集団や特定個人の為に死ぬことが要求されます。開放系では死は要求されません。生命への観点の結果として個体の生死に制限されないということです。超人主義とも異なります。開放系は特定個体や特定種だけを重要視せず全体の循環を観察します。もうひとつ、自殺は、開放系の観点から生死を超越しているのではなく、閉鎖系の観点に因るものです。個体の生死や得失に囚われ孤立した為に自殺は発生します。開放系の観点では生命は唯生きるだけです。「犠牲」という考え方も閉鎖系概念と言えます。開放系では「生かして生きる」です。例えば火事場の救助のようなものでしょうか。火中に取り残された人を助けに入る時、救助者は死を見ていません。生だけを見て生きる道を帰ってきます。

(開放系概念はどのようにして広まるか)

開放系概念採用個体同士が出会った場合には共存共栄が始まり生命の安全性が高まります。安全性が高まれば個体は増えます。また、前述のように閉鎖系概念採用個体が増えるにしたがって生命に対する危険度は上がっていきます。危険度が限界に近付くにつれて閉鎖系から開放系に「考え直す」個体が生じて広がる可能性もあります。

(閉鎖系概念という虚構)

個体が開放系であることを認識しているかどうかに関わらず、実際には厳密な意味での閉鎖系というものは存在しません。人類は世界のあり方を知るために自己と世界を切り離し、現象と現象とを切り離す閉鎖系の認識や思考、科学等の確認手段を発達させてきました。その結果、手段が先行しフィードバックによるインプットの結果、個体として孤独感を感じたり種として地球生命環に大きな影響を与えるようになりました。しかし先行した手段はついに生命科学の分野で「フィールド」という概念を見出しました。

(形態形成場と運動場)

この項の殆どはルパート・シェルドレイク「生命のニューサイエンス」からの抜粋になりますので、むしろそちらを熟読下さるほうが理解が深いと思われますが、簡単にご紹介いたします。
先ず、「フィールド」という概念は既知の科学原理によって説明しきれるものではないということです。むしろ今までの因果関係的機械論的な世界の捉え方では説明できない事象を科学として認識するための概念ですから、既知の原理で説明できなくて当然なのです。(p77,78)
「形態が問題になるということじたい、すぐにはわかりにくい。われわれの周りには形があふれて」いて、私たちはそれを視覚情報等として日常的に扱っていますが、形やその変化を数式で示すには「実際上ばかりでなく原理上も、数学的困難が横たわっているのである。」(p80,81) 簡単に身近な例で言えば、例えば子供が産まれるとして、その子のつむじがいくつあるのか、右巻きか左巻きか、母親似か父親似か、年とともにどう変わっていくのか等は、数学や数学を基礎とした物理学等の現代科学からはわからないし説明もできないということです。「形態形成場」はこのような既知の科学ではわからないことを説明する概念です。
また、「運動場」というのは「形態形成場」が「形」について用いられるのに対して造られた用語で、アメーバの運動やヒトの右利き左利きなど、「運動」を「フィールド」という立場から説明するためのものです。


(To be continued. お楽しみに。)

(エネルギー的世界観)

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